GoogleやYahoo、BingやYoutubeなど、検索窓にキーワードを入力する際に、検索キーワードに関連する候補キーワードが表示されます。
入力したキーワードに関連したワードが自動的に表示されるこの機能は、Googleでは「オートコンプリート」Yahooでは「キーワード入力補助機能」と呼ばれていますが、これらを総称して「サジェスト」と言います。
サジェストは、ユーザーが検索キーワードを全て入力しなくても、自動で検索キーワードを予測して表示してくれるため、検索ユーザーが知りたい必要な情報に素早く簡単に辿り着け、検索までの時間を短縮してくれる便利な機能です。
サジェストは、英語でSuggest「提案する」という意味があります。
文字通り、自分が入力したキーワードと関連性の高いキーワード候補を検索エンジンが自動で予測し「予測変換」のように提案してくれるのがサジェストの特徴です。
また、多くのユーザーがよく検索しているキーワードや検索時に一緒に検索されているキーワードなどを表示してくれるため、注目のワードを把握することも可能です。
サジェストは、ユーザーがキーワードを検索する時に、一番はじめに目にする重要な場所です。
このサジェストにネガティブなキーワードが表示されていることがあり「サジェスト汚染」という問題が起きている場合があります。
サジェスト汚染は、個人や法人に様々な悪影響を及ぼす可能性があり、サジェスト汚染を放置することで大きな損害が発生するリスクがあります。
このページでは、サジェストが表示される仕組みやサジェストを削除する方法について解説します。
Googleサジェストが表示される仕組み
まずは、Googleサジェストが表示されるメカニズムについて詳しく説明します。
Googleサジェストは、ユーザーが検索窓にキーワードを入力すると、関連するキーワードの提案が表示される機能です。
Googleサジェストに表示されるキーワードは、Googleの検索エンジンがこれまでに蓄積した検索データをもとに決定されます。
具体的には、「検索クエリ」と呼ばれるデータを使用して、どのようなキーワードを表示するかを決定します。
Googleサジェストの決定要因
Googleサジェストに表示されるキーワードが決定される要因は1つではなく複数の要因に起因しています。
GoogleはGoogleサジェストが表示される仕組みについて公表していませんが、以下のようなロジックに基づきキーワードが決定されているとされています。
キーワードの検索ボリューム
検索されるキーワードの検索ボリュームが多い場合、そのキーワードには多くの人が関心を持っていると考えられます。
Googleは、このような検索ボリュームが大きいキーワードを検索ニーズが高いと判断し、サジェストに選ばれやすくします。
繰り返し検索されるキーワードは、今後も多くのユーザーによって検索される可能性が高いからです。
また、他のユーザーが特定のキーワードに対して2単語目や3単語目を一緒に検索している場合、それらのキーワードもサジェストに表示されやすくなります。
クエリが実行される場所
Googleサジェストは、検索クエリを実行する地域によって、表示されるサジェストが異なります。
地域ごとの言語や文化、特定の関心事に基づいて最も適切な提案を表示するためです。
例えば、美容院を探しているときに、「美容院」とキーワードを入力すると、検索している地域に関連する地名や駅名がサジェストとして表示されることがあります。
検索ユーザーが調べたい情報や検索ユーザーの動向を先回りしてサジェストに表示してくれるのです。
渋谷で美容院を探そうと「美容院」と検索しているしているのに「美容院 福岡」「美容院 札幌」など、全く異なる地域に関連するサジェストが表示されてもユーザーにとって意味がなく利便性に欠けます。
Googleサジェストは、検索している地域を考慮しユーザーにマッチした検索候補が表示されるアルゴリズムになっています。
トレンドや注目されているトピック
現在注目されているトピックや流行している話題に関連するキーワードが優先的にサジェストされます。
Googleの検索エンジンは、トレンドやSNSなど、話題となり検索数が急上昇しているキーワードがよく表示される傾向があります。
検索ボリュームは、特定のキーワードを多くの人が検索することで増加しますが、個人が頻繁に検索した場合でも反映されるため、サジェスト表示を狙った検索行動も起こり得ます。
そのため、実際に多くの人が検索しているキーワードが表示されやすくなるのです。
その他、ニュースやイベントなどの情報も一時的に大きな話題になるため、サジェストに表示されやすくなります。
つまり、一時的であれ恒常的であれ、トレンドとなっているキーワードがサジェストに表示されやすくなる仕組みになっています。
ユーザーの過去の検索履歴
Googleサジェストは、個々のユーザーが過去に行った検索を分析し、興味や好みに基づいたキーワードを提案します。
例えば、自分が過去に検索したキーワードがサジェストに表示されたことはないでしょうか。
Googleは、ユーザーが直近または過去に調べたキーワードに関心があると判断し、そのキーワードをサジェストの上位に表示するようにしています。
これは、GoogleのブラウザであるChromeがユーザーの検索履歴やCookie情報を保存しているためです。
履歴を加味しないGoogleサジェストなのか?検索履歴による個人に合わせたGoogleサジェストなのか?を確認しましょう。
Google検索エンジンの検索履歴は、GoogleブラウザやGoogleアプリから確認することができます。
Googleの検索履歴を確認の上、検索履歴を削除をし、履歴をクリアにしておきましょう。
※GoogleはGoogleアカウントにログインしている状態ではパーソナライズドといってユーザーの検索動向に応じた個人特有の検索結果を返す仕組みがあります。
フラットな状態で現在のGoogleサジェストを確認されたい場合は、Googleアカウントからログアウトをして確認しましょう。
また、ブラウザのシークレットモードを利用することも有効なリサーチ方法です。
関連性の高いコンテンツの存在
検索されたキーワードに関連するWebサイトや質の高いコンテンツが多数存在する場合、それらのキーワードがサジェストに含まれる可能性が高くなります。
検索キーワードが含まれるWebサイトやページの数もGoogleサジェストの仕組みとして大切な要素です。
単純に検索回数がどれほど多くても、そのキーワードに関するサイトやコンテンツがWeb上に存在しない場合、Googleはユーザーに有益な情報を提供できません。
例えば、とある会社名を検索した際に、その会社のWebサイト内に「広告」というキーワードが多い場合、その会社と広告が関連性が高いと判断され、会社名で検索した際に広告というキーワードがGoogleサジェストに表示されやすくなります。
よくみかけるのは、会社名で検索した際に、その会社のサービス名や商品名、電話番号や住所、代表者の名前など、Googleサジェストに会社に密接な情報が表示されることが分かります。
サジェストの影響
検索クエリは単にキーワードの提案に影響を与えるだけでなく、検索結果ページ(SERP)でどのウェブサイトが上位に表示されるかも左右します。
このため、検索エンジンのアルゴリズムには非常に重要な情報源となっています。
また、検索エンジンを利用する際に、一番はじめにユーザーの目にとまるのがサジェストです。
会社名やサービス名で検索する際に、併せて表示されるサジェストのキーワードはインパクトが絶大です。
企業のブランディングやインプレッションという観点でもサジェストの影響は計り知れません。
ネガティブキーワードの対策
時にはネガティブなキーワードがサジェストに表示されることがありますが、その場合は、ポジティブな情報をインターネット上に積極的に発信することで、表示内容が改善される可能性があります。
これは、良質なコンテンツが増えることで、そのキーワードに関連する検索提案が肯定的なものに変わるためです。
このように、Googleサジェストが表示される仕組みは複雑でありながら、ユーザーにとって直感的に役立つ機能を提供しています。
それぞれの要素がどのように組み合わさって機能するかを理解することで、より効果的に情報検索を行うことができます。
Googleサジェストが表示される場所
Googleサジェストが表示される場所は大きく2つあります。
1つは検索窓にキーワードを入力されている際中に表示されるGoogleオートコンプリート箇所。
もう1つはキーワードを検索したページに表示されるGoogle関連キーワードと他の人はこちらも検索の箇所です。
Googleオートコンプリート
Googleオートコンプリートが表示される箇所は主に2箇所です。
(1)Googleのトップページで検索する際のオートコンプリート
(2)Googleの検索結果ページで検索する際のオートコンプリート
上記、2つの箇所はどちらで検索しても基本的に同じサジェストが表示されます。
Google関連キーワード・パソコン検索時
Google関連キーワードが表示される箇所は主に3箇所です。
(1)検索結果ページの上部、検索窓の下に表示されるGoogle関連キーワード
(2)検索結果ページの下部に表示されるGoogle関連キーワード
パソコン検索時は、「他の人はこちらも検索」という表記になります。
(3)検索結果ページで検索窓をクリックした際に表示されるGoogle関連キーワード
Google関連キーワード・スマートフォン検索時
Googleをスマートフォンで検索した際の関連キーワードが表示される箇所は主に1箇所です。
スマートフォン検索時は、「他の人はこちらも検索」という表記になり、検索結果の途中に表示されます。
関連キーワードが多い場合、上部と下部で2箇所に分かれて表示されます。
(1)Google他の人はこちらも検索
このように、Googleサジェストが表示される場所は多岐にわたります。
そのため、各箇所でどのようなキーワードが表示されているかを確認する必要があります。
Yahooサジェストが表示される仕組み
Yahooサジェストに表示されるキーワードが決定される仕組みについて詳しく説明します。
Yahooサジェストは、公式には「キーワード入力補助機能」と称され、ユーザーが検索窓に入力する際に、関連するキーワードの提案を自動で行います。
この機能の目的は、Googleサジェストと同様に検索効率を向上させることにありますが、キーワードを表示させるアルゴリズムははGoogleサジェストとは異なります。
Yahooサジェストの決定要因
Yahooサジェストが表示される決定要因は、Googleサジェストと異なる特徴があります。
Yahooはサジェストをどのようなロジックで決定しているか公開していませんが、以下のような情報を考慮し決定されています。
検索クエリの評価方法
Yahooでは検索クエリの評価が最優先されます。
つまり、ユーザーが最もよく検索する語句やフレーズに基づいてサジェストのキーワードが決定されることが多いです。
これは、過去の検索データを元に最も人気のある、または頻繁に検索されるキーワードを予測してサジェストに表示します。
Webサイトとの関連性の重視度
Googleと異なり、Yahooはキーワードと公開されているウェブサイトとの関連性をそれほど重視していません。
このため、サジェストに表示されるキーワードは、検索されるキーワード自体の人気により左右されることが多く、ウェブページの内容の関連性よりも検索クエリの人気が優先されます。
SNSや掲示板の影響
SNSや掲示板サイトに投稿された内容が話題になると、それがYahooサジェストに速やかに反映されることがあります。
このように、現在のトレンドや話題の内容が直接サジェストに影響を与えるため、リアルタイムで変動する社会の動向が検索結果にも現れます。
Googleサジェストとの違い
このような仕組みの違いから、YahooとGoogleでは同じキーワードを入力した場合でも、表示されるサジェストキーワードが異なることがあります。
Yahooでは時事性や社会の関心事が反映されやすく、Googleではより広範なウェブのコンテキストに基づくキーワードが表示されることが特徴です。
これにより、ユーザーは検索エンジンごとに異なるサジェスト結果を活用することができ、より幅広い情報収集が可能となります。
Yahooサジェストは、特に短時間で最新のトレンドや話題にアクセスしたい場合に有効なツールと言えるでしょう。
Yahooサジェストが表示される場所
Yahooサジェストが表示される場所は大きく2つあります。
1つは検索窓にキーワードを入力されている際中に表示されるYahoo入力補助機能箇所。
もう1つはキーワードを検索したページに表示されるYahoo関連検索キーワードの箇所です。
Yahooキーワード入力補助機能
Yahooキーワード入力補助機能が表示される箇所は主に2箇所です。
(1)Yahoo!JAPANのトップページで検索する際のキーワード入力補助機能
(2)Yahooの検索結果ページで検索する際のキーワード入力補助機能
上記、2つの箇所はどちらで検索しても基本的に同じサジェストが表示されます。
Yahoo関連検索ワード・パソコン検索時
Yahoo関連検索ワードが表示される箇所は主に2箇所です。
(1)検索結果ページの上部に表示されるYahoo関連検索ワード
上部の表記に虫眼鏡のマークがあることから、Yahoo関連検索ワードは、Yahoo虫眼鏡などと呼ばれることがあります。
(2)検索結果ページの下部に表示されるYahoo関連検索ワード
パソコン検索時には、上部に表示されたキーワードを含む最大10キーワードが表示されます。
Yahoo関連検索ワード・スマートフォン検索時
スマートフォンでYahoo検索した際の関連検索ワードが表示される箇所は主に2箇所です。
関連検索ワードが多い場合、上部と下部で2箇所に分かれて表示されます。
(1)スマートフォン検索結果ページの上部に表示されるYahoo関連検索ワード
(2)スマートフォン検索結果ページの下部に表示されるYahoo関連検索ワード
スマートフォン検索時には、上部に表示されたキーワードを含む最大15キーワードが表示されます。
Yahoo他の人はこちらも検索
スマートフォンでYahoo検索をしたページにも「他の人はこちらも検索」が表示されます。
Yahooの他の人はこちらも検索は、Google他の人はこちらも検索のキーワードと全く同じため、Google他の人はこちらも検索のキーワードが抽出され表示されている可能性が高いです。
YahooサジェストもGoogle同様、様々な場所に表示されるため、各箇所のキーワードについて随時チェックする必要があります。
Bingサジェストが表示される仕組み
Bingとは、米Microsoft社が提供している検索エンジンの名称です。
Bingは2009年に登場し、2020年に「Microsoft Bing」に改名されました。
日本の多くのインターネットユーザーは、Windowsを使用しているため、Bingを利用したことがある方も多いかもしれません。
Bingは、アメリカではGoogleに次ぐ人気の検索エンジンですが、日本ではまだ認知度が低いかもしれません。
それでも、検索エンジンとしての基本機能はGoogleやYahoo!と同様で、キーワード検索によって関連するウェブサイト、画像、動画、地図、ニュース、ショッピング情報などを表示します。
日本におけるシェア率はGoogleやYahoo!に次ぐものでありますが、特にPC利用に限定すると2位のシェアを誇りYahoo!を超えている状況です。
Windows11に標準で搭載されているMicrosoft Edgeでは、ブラウザの初期設定がBingがデフォルトの検索エンジンとなっているため、特にWindowsのPCユーザーはMicrosoft Edgeをそのまま使用するケースが多いです。
(PC購入時のデフォルトの設定から他のブラウザをダウンロードしないユーザーも多く、そのようなユーザーがBingを利用しているためと考えられます。)
Bingのサジェストが表示される仕組みは公開されていませんが、GoogleやYahoo!と同じ仕組みを踏襲している可能性が考えられます。
よく検索されるワードや関連コンテンツがあるキーワードが表示される傾向にあります。
キーワードによって更新頻度は異なりますが、1ヶ月に1~2回程度で表示キーワードが変わります。
なお、Bingサジェストはパソコン検索時とスマートフォン検索時での表示の違いはありません。
また、Yahooサジェストと同じく、検索地域によるキーワードの表示にも違いはありません。
Bingサジェストが表示される場所
Bingサジェストが表示される箇所は2箇所です。
Bing検索エンジンでキーワードを入力している際中に表示されるサジェストの箇所と、キーワードを検索した結果ページに表示される関連キーワードの箇所です。
Bingサジェスト
先述した通り、PC検索とSP検索で表示されるサジェストのキーワードは同じになります。
ただし、PC検索時には、COPILOTが表示される場合があり(キーワードによります)、その場合、表示されるキーワード数は最大8キーワードになります。(SP検索時は最大10キーワード)
Bing関連キーワード
Bing関連キーワードは、PC検索時には表示される箇所が2箇所になります。
検索結果の右カラム箇所と検索結果の最下部です。
ただし、右カラムと最下部に表示されるキーワードは同じです。
SP検索時は、検索結果の途中に差し込まれ表示されます。
何れの箇所も最大で8つキーワードが表示されます。
サジェスト汚染とは
サジェストは、ユーザーがインターネット上で関心のある情報を迅速に見つける手助けをするための重要なツールです。
ユーザーが検索窓にキーワードを入力すると、そのキーワードに基づいて関連する提案が自動的に表示されます。
このプロセスは検索の効率を大幅に向上させ、多くのユーザーにとっては欠かせない便利な機能となっています。
サジェスト機能の最大の利点は、ユーザーがタイピングする手間を省き、関連する情報に迅速にアクセスできることです。
特に情報量が膨大なインターネット環境では、この機能がユーザーの時間を節約し、より効率的な検索体験を提供します。
また、検索キーワードのスペルミスを自動的に修正したり、最近のトレンドに基づいたキーワードを推薦することで、検索結果の質を向上させる効果もあります。
一方で、サジェストには「サジェスト汚染」という問題が発生する場合があります。
サジェスト汚染とは、不適切なキーワードや誤解を招くような提案がサジェストされることにより、企業や個人の評判に悪影響を及ぼす現象です。
例えば、ある企業名を入力した際に、不正やスキャンダルに関連するキーワードが提案されると、その企業のブランドイメージが損なわれる可能性があります。
特に企業名や店舗名、商品名やサービス名を検索した際に、不適切なネガティブキーワードが連想される場合がその一例です。
このようなサジェスト汚染の問題は、企業の評判やブランドイメージに悪影響を及ぼす可能性があります。
企業名や店舗名のサジェスト汚染
企業名や店舗名を検索した際のサジェスト汚染は、会社や店舗に対するネガティブキーワードが検索窓に表示されます。
企業名や店舗名で表示されるネガティブキーワードの例には、以下のようなキーワードがあります。
「倒産」「詐欺」「事件」「最悪」「悪質」「反社」「迷惑」「被害」「事故」「裁判」
「ぼったくり」「まずい」「高い」「汚い」
これらのキーワードがサジェストされると、その企業や店舗が関連するネガティブな出来事や問題を抱えているとの印象を与えかねません。
もし転職を考えている求職者や潜在的な取引先が企業名を検索し、その際にネガティブなサジェスト汚染に遭遇した場合、どのような影響があるでしょうか?
企業や店舗を調べようとした時に、これらのネガティブなサジェストを目にすることで、企業や店舗に対する信頼が揺らぎ、疑念を抱くことになります。
さらに、表示されたネガティブなキーワードをクリックすると、否定的な内容の情報に容易にアクセスすることができ、情報を目にすることで企業に対する悪い印象がさらに強化される可能性があります。
このような情報が広がることは、企業や店舗の評判にとって非常に有害であり、長期的な悪影響を及ぼすことになるかもしれません。
商品名やサービス名のサジェスト汚染
商品名やサービス名を検索した際にも同様に、ネガティブなキーワードが表示されることがあります。
「マルチ」「ネズミ講」「クーリングオフ」「効かない」「効果なし」「つまらない」
これらのキーワードが表示されると、提供されている商品やサービスが効果的でない、怪しいサービスかも?、または顧客に不利益をもたらす可能性があると誤解されることがあります。
その結果、顧客の不安を煽り、信頼を損ねることにつながり、ビジネスへ悪影響が及ぶことがあります。
個人名のサジェスト汚染
個人名で検索する場合、本人に関する過去の出来事や汚点、ネガティブな噂、プライベートを揶揄するキーワードが表示されることがあります。
サジェストに表示されるネガティブワードは、特に個人名の場合、深刻な影響が及ぶことがあります。
検索エンジンはユーザーの入力したキーワードを蓄積し、頻繁に検索される語句は「人気の検索ワード」としてデータベースに記録します。
このようなシステムのため、根も葉もない噂や誤解に基づくネガティブなワードでも、頻繁に検索されればサジェスト候補として表示されやすくなります。
これが、事実に基づかない情報であっても一度サジェストに表示されると、それが広く信じられる原因となり、消去が困難な「デジタルタトゥー」と化してしまうリスクがあります。
これが個人名の場合、サジェスト汚染の影響はさらに個人的で直接的です。
誰かの人柄や性格に関する否定的なキーワードがサジェストに表示された場合、その人の社会的評価や個人的な関係に悪影響を及ぼすことがあります。
例えば、誤解を招くようなキーワードが表示されれば、その人の評判が地域社会や職場内で悪化する可能性があり、心理的なストレスや社会的な孤立を引き起こすこともあります。
さらに、サジェスト汚染は結婚や就職・転職といった人生の重要な転機にも大きな影響を与えることがあります。
潜在的なパートナーや雇用主が個人名を検索した際にネガティブなキーワードが表示されると、その人に対する印象が悪化し、人生における大きなチャンスを逃す結果となるかもしれません。
このようなデジタル上の印象は、その人の能力や性格とは無関係に、不利益をもたらすことが多く、長期的なキャリアや個人生活に悪影響を及ぼす可能性があります。
サジェスト汚染が及ぼす影響
サジェスト汚染による悪影響は多岐にわたります。
実際に多くの企業からは、サジェストによって表示されるネガティブキーワードがビジネスに及ぼす悪影響についての相談が寄せられています。
例えば、転職希望者や取引先が企業名を検索した際に、これらのネガティブなキーワードが表示されることで、企業に対する不信感を抱くようになる可能性があります。
さらに、これらのキーワードをクリックすることでネガティブな情報にたどり着きやすくなり、情報にふれることで企業への悪い印象が強化されることも考えられます。
ネガティブなキーワードが表示された場合、企業のコンバージョン率が下がる、または採用活動の応募率が低下するなど、明確なビジネス上の影響が確認されています。
取引先や顧客による検索結果として目にされた場合、売り上げの低下を引き起こしたり、採用活動に悪影響を及ぼす恐れがあります。
サジェスト汚染対策の必要性
このようなサジェスト汚染に直面した場合、迅速に対策を講じることが非常に重要です。
サジェストをクリーンアップする方法を講じて、不適切なキーワードを削除することで、企業イメージの回復と保護を図る必要があります。
また、ポジティブなコンテンツの積極的な発信や、顧客からのポジティブなフィードバックの増加を促すことも効果的です。
サジェスト汚染は、今日のデジタル依存社会において無視できない大きな問題です。
特に、企業名やブランド名でのサジェスト汚染は、企業の信用を損ねる重大なリスクとなるため、早急な対策が求められます。
サジェスト汚染への迅速な対応は、企業の信頼性を維持し、潜在的な損害を最小限に抑えるための重要なステップです。
企業やブランドは、オンラインでのプレゼンスを管理し、ブランドの健全性を維持するために、検索エンジンのサジェストが提供するイメージが現実と一致するよう努力することが求めらています。
サジェストの利用率
Googleサジェストのクリック率を調査した研究について詳しくご紹介します。
SEOの専門家であるBrian Dean氏が運営するWebサイト「BACKLINKO」で公開された記事「How People Use Google Search
(New User Behavior Study)」では、Google検索を使用した様々なタスクをこなしてもらい、ユーザーの検索行動を詳細に調査・分析した結果を公表しています。
この研究は、ユーザーがGoogle検索をどのように利用しているかを理解するために行われました。
調査の結果、検索ユーザーの約4分の1(23%)がGoogleサジェストの中から一つのキーワードを選んでいることが明らかになりました。
これは、Googleサジェストが検索行動において重要な役割を果たしていることを示しています。
また、検索クエリによってはGoogleサジェストを何度も利用する人がいることが分かり、特に取り引きに関連するキーワードの場合、この傾向が顕著でした。
具体的には、取り引きに関連のキーワードでは、Googleサジェストを使用する人の割合が30%を超えるクエリもありました。
いわゆる購入意図のあるクエリ(buyクエリ)において、Googleサジェストの利用が特に高いことを示しています。
例えば、「buy iPhone」や「purchase laptop」などのクエリでは、ユーザーがGoogleサジェストを利用する頻度が非常に高く、これが検索行動に大きな影響を与えていることが分かりました。
加えて、Googleサジェストが提供する予測候補の中には、ユーザーが本来入力しようとした検索クエリよりも魅力的なものが含まれている場合が多いことが観察されました。
これにより、ユーザーは自身の意図をより適切に表現できるサジェストを選択することが増えているようです。
この研究を通じて、Googleサジェストがユーザーの検索行動に与える影響の大きさが改めて確認されました。
特に取り引き関連のキーワードや購入意図のあるクエリにおいて、Googleサジェストが果たす役割は非常に大きく、今後のSEO対策やマーケティング戦略においても重要な要素となることが示されています。
いずれにしても、Googleサジェストはユーザーの検索行動に非常に大きな影響を与えており、SEOやマーケティングの専門家にとって無視できない要素であることは間違いありません。
引用:Searchers Use Google Autocomplete Suggestions 23% of the Time
Googleサジェストの削除方法
Googleサジェストを削除する方法について解説します。
Googleサジェストに不適切なキーワードが表示されている場合、Googleに対して削除申請をする方法があります。
Googleオートコンプリートのポリシー
Googleは、オートコンプリートポリシーを制定しており、ユーザーの誰もが便利に検索エンジンを利用できるように、次のようなオートコンプリート(検索候補)を防ぐガイドラインを定めています。
・危険なコンテンツ
・ハラスメント コンテンツ
・ヘイト コンテンツ
・露骨な性表現を含むコンテンツ
・テロに関するコンテンツ
・暴力や流血
・下品な言葉や冒とく的表現
さらに、次のような機能固有のポリシーもあり、オートコンプリートに表示されないよう定められています。
・選挙に関連する候補
・健康に関連する候補
・名前を示された個人のプライバシーに関する言葉や中傷的な言葉
・重大な悪意のある行為
このように、オートコンプリートポリシーに違反している検索候補は、Googleが削除対応をしてくれる可能性があります。
Googleサジェストの削除申請方法(1)
1つ目のGoogleサジェストの削除申請方法は、検索窓のサジェスト一覧から削除申請を行う方法です。
「不適切な検索候補の報告」から削除申請する方法ですが、Googleサジェストの削除申請として最も簡単な方法になります。
【Step1】Googleの検索窓にサジェスト汚染が確認されているキーワードを入力します。
例えばGoogleの検索窓に「サジェスト汚染」と入力します。
入力した「サジェスト汚染」に関連するサジェストが表示されます。
【Step2】サジェストが表示された右下にある「不適切な検索候補の報告」をクリックします。
【Step3】削除申請の対象となるネガティブなキーワードをクリックします。
※キーワードは一つしか選択できません。
【Step4】不適切な検索候補の報告のフィードバックがどれにあたるのかを選びます
※フィードバックは一つしか選択できません。
【Step5】不適切な検索候補の報告について、詳細を入力します
【Step6】送信をクリックすると不適切な検索候補の報告が完了です
引用:Google検索
この「不適切な検索候補の報告」は、簡易的な削除申請になり、Googleから返信はありません。
また、Googleサジェストが削除されることはほぼありません。
Googleサジェストの削除申請方法(2)
2つ目のGoogleサジェストの削除申請方法は、法的な証拠を集めて削除申請を行う方法です。
1つ目にご紹介した簡易的な「不適切な検索候補の報告」と異なり、準備など削除申請に手間がかかる「法的な理由でコンテンツを報告する」という方法になります。
【Step1】「法的な理由でコンテンツを報告する」ページにアクセスする
以下のページにアクセスします。
【Step2】「リクエストを作成」をクリックします。
【Step3】「Google検索」をチェックします。
【Step4】「その他の検索機能」にチェックします。
【Step5】「オートコンプリートまたは関連検索キーワード」にチェックします。
【Step6】コンテンツを報告する理由を選択してください
2つ目の「コンテンツを報告する法律上の理由」にチェックします。
※1つ目の「コンテンツを報告するポリシー上(法律外)の理由」をクリックすると「不適切な検索候補の報告」に誘導され、法的な削除申請ができません。
以下、コンテンツを報告する理由により報告フォームのページが異なります。
・裁判所命令
・その他
※何れも法的な根拠が必要になります。
【Step7-1】裁判所命令によるサジェスト削除申請
裁判所による命令が理由で削除申請する場合のフォームです。
【Step7-2】その他の法的削除を理由とするサジェスト削除申請<
その他の法的削除が理由で削除申請する場合のフォームです。
法的な理由によるサジェスト削除申請の場合、申請後に申請を受領した旨の自動返信メールが届きます。
その後、削除の可否の判定結果についてのメールがきます。
結果の通知が来るまでの日数はケースバイケースです。
Yahooサジェストの削除方法
Yahooサジェストを削除する方法について解説します。
Google同様、Yahooにもサジェストや関連検索ワードに不適切なキーワードが表示されている場合、Yahooに対して削除申請をする方法があります。
アルゴリズムによって表示された関連検索ワードであっても、そのワードの表示がスパム、猥褻用語、差別用語、犯罪を助長する用語、その他当社が不適切であると判断した場合には非表示にすることがあります。
【Step1】Yahooサジェストの削除申請
以下のページの下部にあるお問い合わせフォームより削除申請が可能です。
キーワード入力補助機能とは
「関連検索ワード」とは
【Step2】どの検索についてのお問合せですか
「どの検索についてのお問合せですか」という問いがありますので、「関連検索ワードの情報削除」にチェックを入れます。
【Step3】申請フォームの入力
以下を入力後、下部の「確認した」にチェックを入れて次に進みます。
・検索結果ページのURL
・関連検索ワード
・詳細
申請内容の確認ページが表示されますので内容に問題なければ次へをクリックすれば申請完了です。
申請が承認されると、フォームに情報を送信してから最短1日、通常1週間程度で削除が完了します。
Yahooの場合、削除が受理されたかどうかの返答はありませんので、削除が完了するまでに1週間から10日程度かかると考えてください。
Bingサジェストの削除方法
日本国内の検索エンジンは、GoogleやYahoo!JAPANが有名ですが、最近ではCatGPTで注目を集めるMicrosoft社のBingも検索エンジンとして台頭してきています。
最新のWindowsに標準でインストールされているブラウザ(Microsoft Edge)を利用すると、検索がBingになっているため、Bingの利用率が国内で高くなっている状況です。
Bingにも他検索エンジンと同様、サジェスト機能が備わっており、Bingサジェストの対策もニーズが高まっています。
Bingサジェストの削除は、以下のページから申請可能です。
ページにアクセス後、どの製品についてレポートしていますか?の選択肢から「Bing 検索」をクリック。
問題点について教えてください。の選択肢から、サジェストを削除してほしい理由をチェック。
Bing検索エンジンで、どのキーワードで検索すると、どのようなサジェストが表示されるのか?
そのサジェストが表示されていることが、どのような問題があるかという説明を詳細に記載する必要があります。
名前、メールアドレス、検索語句、URL、詳細説明、データをアップロードして、送信します。
削除申請後、Bing側で削除申請が認められれば、1~2週間で当該のサジェストが消去されます。
ただし、Bingのサジェスト削除申請も、必ず削除されるわけではありません。
申請内容によっては、削除申請を行っても、対応してもらえない場合があります。
削除申請が通らなかった場合
サジェスト汚染の解決方法として、自分自身で対応が可能なサジェスト削除の申請方法をご紹介しました。
しかし、実際に対応してくれるかどうかは、Google、Yahooなどの検索エンジンの判断次第です。
当然ですが、申請が通らないケースも多々あります。
もしも削除申請が通らず削除対応してもらえなかった場合、ネガティブなサジェストや不適切な関連キーワードが表示され続けることになります。
このような状況は、企業や個人にとって風評被害や不利益な結果を引き起こす可能性があります。
サジェストや関連キーワードの削除申請が通らない場合には、別の対処方法を検討することが重要です。
例えば、ネガティブなサジェストキーワードを押し下げるために、ポジティブな情報を積極的に発信したり、SEO対策によるアプローチをする方法があります。
しかし、このような方法は検索エンジンに対する知見や専門性が必要ですし、一刻も早く問題を解決するためには適切な方法とは言えません。
その場合、法律の専門家である弁護士やサジェスト削除を専門とする業者に依頼して対策を講じることも一つの手段です。
弁護士に依頼する場合のメリットデメリット、サジェスト専門業者に依頼する場合のメリットデメリットをご紹介しますので、どの方法がご自身にとって最適かを確認しましょう。
弁護士にサジェスト削除を依頼する
汚染されたサジェストを自分で削除するのが困難な場合には、弁護士に削除申請を依頼する方法があります。
弁護士は法律の専門家であるため、ご自身で削除申請をして通らなかった場合でも、弁護士に依頼することで自分で申請するよりも削除が成功する可能性が高まります。
風評被害に詳しい弁護士であれば、表示されているネガティブなサジェストがどのような権利侵害に該当するかを明確に判断できます。
この専門知識を基に、的確な削除申請を行うことが可能です。
また、弁護士が介入することで、検索エンジン側も申請内容を真剣に受け止める傾向があります。
弁護士を選ぶ際には、それぞれの専門領域を考慮することが重要です。
インターネットに関するトラブル解決に専門知識があり、過去に実績のある弁護士に相談することで、効果的な対応が期待できます。
具体的には、インターネット上の風評被害や名誉毀損などに詳しい弁護士を選ぶと良いでしょう。
さらに、弁護士は削除申請以外にも、風評被害を最小限に抑えるためのアドバイスを提供してくれることがあります。
例えば、被害を受けた際の適切な対応方法や、再発を防ぐための対策についてのレクチャーなどです。
このように、弁護士のサポートを受けることで、より安心して問題解決に取り組むことができるでしょう。
サジェスト専門業者にサジェスト削除を依頼する
ネガティブなサジェストが削除できない場合、法的な問題や事件性がない限り、風評被害対策を行う専門業者に相談・依頼するのが賢明です。
これにより、自力での対処が難しい場合でも、効果的な解決策を見つけることができます。
例えば、弁護士にサジェスト削除を依頼しても、以下のような問題が起こる可能性が考えられます。
「サジェスト削除申請をしても対応してもらえなかった」
「一度削除されたのに再表示された」
「別のネガティブキーワードが表示されて困っている」
このようなケースに対して、サジェスト対策の専門業者は豊富なノウハウを持っています。
サジェスト専門業者は、削除対応するだけでなく、様々な解決策を提供します。
例えば、対策すべきキーワードの調査や技術的なアドバイス。
そして再発防止のためのサポートなどが含まれます。
再発防止のサポートを行っている業者であれば、将来的なネガティブなサジェストの再表示対策も期待できます。
さらに、サジェスト削除にかかる費用を抑えたい場合にも専門業者はおすすめです。
依頼内容によりますが、弁護士に依頼する場合、着手金が発生したり、1ワードあたり数十万円の費用がかかります。
仮に削除がされなかった場合でも費用が発生するケースが殆どです。
複数のサジェストを削除する場合、トータルのコストが高額になるケースもあります。
一方、サジェスト専門業者であれば、数万円から対応してくれる業者もあります。
また、指定したサジェストが削除された場合にのみ費用が発生する成果プランで対応してくれる業者もあります。
専門業者に依頼することで、コストを抑えつつ効果的な対策を講じることができます。
ただし、専門業者を選ぶ際には、その業者がどの程度の実績を持ち、信頼できるかを確認することが重要です。
その業者の口コミや評判を調べたり、事前に詳しい相談を行ったりして、信頼できる業者を選びましょう。
一方で、話し合いによる解決を希望する場合は、示談交渉などのフォローを行う弁護士に相談するのも一つの方法です。
弁護士は法律の専門知識を持っており、問題解決に向けた適切なアドバイスやサポートを提供してくれます。
風評被害や名誉毀損に関するトラブルを迅速に解決するためには、専門の弁護士に依頼することが効果的です。
このように、ネガティブなサジェスト対策には、専門業者や弁護士の力を借りることが有効です。
ご自身に合った方法を選び、適切な対策を講じることで、風評被害を最小限に抑えることができます。